「語と語の間はスペースを空けましょう」英語を習い始めると、 誰もが教わるであろう題材です。
単位の前にはスペースが必要, ただし。
In the expression for the value of a quantity, the unit symbol is placed after the numerical value and a space is left between the numerical value and the unit symbol.
The only exceptions to this rule are for the unit symbols for degree, minute, and second for plane angle: °, ', and ", respectively, in which case no space is left between the numerical value and the unit symbol.
Example: α = 30°22'8"
筆者訳 (意訳)
量を表す際, 単位は数字の後に書き, 間にはスペースを設けないといけません。
唯一の例外は角度を表す度、分、秒を記載する場合で, その場合は数字と単位の間にスペースを設ける必要はありません。
とあります。US Department of Commerce, アメリカ合衆国商務省が発行しているこのガイドラインによると, 10キログラムはten kilogramsですから10kgではなく 10 kgとなっているべきであり, 温度も次に表されるルールに従って次のように指摘されています。
温度はどうすべきか
The symbol °C for the degree Celsius is preceded by a space when one expresses the values of Celsius temperatures.
筆者 訳
摂氏温度を表現する場合, °とCはセットと考え, 数字と℃との間にはスペースを設けなければなりません。
例: T = 30.2 °C と表記されるべきであり,
T = 30.2°C や T = 30.2° Cと表記すべきではない」
角度のマルはスペースが要りませんが, 温度のマルはスペースが必要です。
パーセント%の前にスペースはいる?
また検索ワードをみていると, こんなお悩みがあることがわかりました。
「%」はどやねん?
http://www.physics.nist.gov/Pubs/SP811/sec07.html
によると
... it is acceptable to use the internationally recognized symbol % (percent) for the number 0.01 with the SI and thus to express the values of quantities of dimension one (see Sec. 7.14) with its aid. When it is used, a space is left between the symbol % and the number by which it is multiplied. Further, in keeping with Sec. 7.6, the symbol % should be used, not the name “percent.”
%という記号は 0.01 という数字の代用で使用される記号なので
かけられる数 と % との間にはスペースが必要である
だそうです。卒論・修論 (thesis) やドク論 (dissertation) を書かれる際にはどうぞお気をつけください。 ... ということで, ‰やppm, ppb もおそらく同様の考え方が適用されるのではないかと思います。(要出典)
「アメリカの役人が作ったこんなガイドラインなど守れるか!」とおっしゃる方も中にはいらっしゃるとは思いますが, できる限りこのルールに則った表記を心がけてください。
研究室でどうしてもパワフルな方の命令に従わなければならない, 等の対応が必要な場合はその命令を聞いておいた方が楽です。また, 投稿先の雑誌の規定がある場合にはそのルールに従ってください。
研究者でなくとも単位の書き方は知っておくべき!
どこに使うか? 新幹線や特急の前のテーブルに "Load Limit 10kg" と書かれたものがあります。10 も単語, kg も単語です。(東海道/山陽/九州新幹線)
AC も 100 も V も 60 も Hz も・・・単語です。(下画像)
北陸新幹線 W7/E7系のテーブルの裏より
※コンセント = 和製英語 英語では Outlet
たくさんの子どもたちが乗るからこそ
スペースを空けてください, お願いです。
(理系出身だからか, 違和感ありあり!)
東海道・山陽新幹線は1日平均60万人[2]を運んでいます。
学び盛りの子ども達もたくさん乗っています。
表示・ステッカーを作る担当の方!
子供達の教育も担っているという自覚をもってください!!!!
このステッカーを作った世代の教科書には確かに半角スペースの空け方など書いていなかったかもしれません。しかしながら世界共通のルール (SI単位系) というものがあるのも事実です。ぜひ, 正確な表記を心がけていただきたいものです。
リットル[L]
SI単位系でもう一つ。リットル単位は小学校で学ぶはずですが,
現在のリットル表記は教科書でも [ℓ] ではなく[L]となったようです (2011年以降)。
ミリリットルはmL, キロリットルはkL です。ヨーロッパに行けばcL センチリットルなんて単位にもでくわします。酒の瓶などにかいてあります。
世代によって教わるものが違う, というのは仕方のないことでしょう。カナダもアメリカも, イギリスも単位やものの数え方で苦労しているみたいですよ。詳しくはまたの機会に扱うことにしましょう。