きよしこの夜 星はひかり・・・
日本語歌詞はおなじみと思いますが この曲は19世紀のオーストリア生まれです。
ドイツ語で Stille Nacht, Heilige Nacht... (しゅてぃれなはと、はいりげなはと)
と歌われるものがオリジナルです。↑ドイツ語歌詞へのリンク↑
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学べるポイント
・古文英語 2人称 Thou (ざう) の活用, 使用例
英語歌詞
(かっこ内, 筆者訳)
1番
Silent night, holy night (静かな夜, 聖なる夜)
All is calm, all is bright (全ては穏やかで 輝いている)
Round yon virgin mother and child (処女母とその子の周りで)
Holy infant, so tender and mild (聖なる子供は優しく穏やかである)
Sleep in heavenly peace (天国のような穏やかさの中で眠れ)
Sleep in heavenly peace
2番
Silent night, holy night
Son of God, love’s pure light (神の息子, 愛の真光)
Radiant beams from thy holy face (あなたの聖なるお顔からまばゆい光が輝く)
With the dawn of redeeming grace (欠点を補うような美しさの始まり)
Jesus, Lord at thy birth (イエス, 神の誕生である)
Jesus, Lord at thy birth
3番
Silent night, holy night
Shepherds quake at the sight (羊飼いはその様子を見て愕然とする)
Glories stream from heaven above (光が天から流れてきた)
Heavenly hosts sing Hallelujah (天使たちがハレルヤ[神よありがとう]と歌っている)
Christ the Savior is born (キリスト, 救世主が生まれた)
Christ the Savior is born
英語古文の2人称単数 Thou (ざう) の活用
英語を習い始めたらまもない頃に出てくる(覚えるのが面倒くさい)活用
I-My-Me-Mine
You-Your-You-Yours
He-His-Him-His
She-Her-Her-Hers
これと同じノリで, 昔の英語には
Thou-Thy-Thee-Thine
というのがありました。
Thou は「あなた」
You は現在は「あなた」「あなたがた」の単複両方を表しますが
Thou は「あなた」(単数) だけを表したようです。
複数の「あなたがた」は Ye (い)と言いました。
活用は Ye-Your-You-Yours
「主語がthouの時は動詞の語尾が変化します」のだそうです。詳しい話はウィキピディアさまにお任せしましょう。
https://ja.wiktionary.org/wiki/thou
ヨーロッパ系の言語, やはりルーツは似ているようです。
上記歌詞に出てくるThy は「あなたの」です。
こんなのどこに出てくるんだよ・・・
Shakespeare のロミオとジュリエット
僕は文学のことはよくわかりませんが, 有名なセリフに
「なぜあなたはロミオなの?」ってのがあります。原文では
Wherefore art thou Romeo?
(うぇあふぉー あーtざう ろみお?)
といいます。
Therefore (それゆえに) という単語があるので,
Wherefore(何ゆえに?)という単語があったことは想像に難くありません。
Why の方が短いからそっちがよく使われるようになったと考えられます。現代語訳をすると What are you Romeo for? となり, ロミオの名前を尋ねるのではなくて, その存在に対する問いの投げかけなのだとか。
古文単語は他のクリスマスソングにも登場
“Children Go Where I Send Thee”
“O Come All Ye Faithful”
Deck the Halls (ひいらぎかざろう)という曲の歌詞にも Ye がでてきます。ほんとうに, ほんとうに ニッチな需要ですが, こういう英語もたまには出てくるので, 英語大好きな方は覚えておいて損はありません(きっと)。次回は歌詞が意味不明な曲を紹介します。
みんな意味がよく分からなくても歌える曲の定番です。よろしければぜひ, 読者になってください!
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