クリスマス目前。暦上は寒い季節なのですが, 2015年の冬はなんだかおかしな冬になっていますね。。
タイヤの交換タイミングがいつになく遅いとか, 灯油が売れないとかいろんなことを耳にすると,
「寒くなることで動く経済もあるんだなぁ」
「寒くないから苦しんでいる方々も多いのだなぁ」
なんて実感する今日この頃です。先週末, 近くの公園では桜が咲いていました。
僕の目は間違っていなかった・・・と思いますが。桜の開花設定ってどういう条件なんでしょう。今年は閏(うるう)秒がありましたが, ついでに閏月があって初めて季節感が合致するような感じがします。
Quartzで英語を音読する
さて, 本題です。
日常でも英語を勉強する方法はいろいろありますよー
なんて書いた投稿がありましたが, その中には
「facebookなど,ソーシャルメディアの活用」
という項目があります。僕は Quartz ってやつにいいね(Like)していますが, こんな興味深い記事が毎日大量に届きます。おかげさまでタイムラインが英語だらけ。
↓今日のはこんな感じ↓
5分-10分かけて 音読をしてみるのもいいです。日頃英語を話す機会のない僕にとっては貴重な舌慣らしの機会です。タイトルに引続く2行だけで 内容がすっと入ってくる要約力のすごさ。
It's become clear that our current pronoun palette is sadly lacking. Luckily, we already have a perfectly good option at the ready.
pronoun palette は「代名詞の多様さ」とでも訳しましょうか。今回はこの記事の内容が少し興味深かったので合わせて紹介しますね。
先日投稿した記事には, 古い英語では2人称がふたつある:
Thou (ざう) Ye (い)
を 紹介しました。
古い英語が駆逐され今の英語が主流になったように, 言葉というものは環境に応じて変化していくものです。
記事の主張: Theyの扱いが近年変わってきた
(一般的には複数形として認められている)They (彼達・彼女達・それ達)が最近では単数形としても 認められるようになってきた
理由
「男性か女性か、もしくは男女を決定したくない対象なのか、世の中で増えてきた」
背景
行間を空けますので少し考えてみてください
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ネット環境において
・インターネット上でのユーザー名 ek051a(仮)さんは男ですか、女ですか
・いつもLINEをしている相手の ゆうちゃん (仮)さんは男ですか、女ですか
・一人称を「僕」としている当ブログの筆者は男ですか、女ですか (これは自明ですが)
→男女がわからないものが出てきた
・SNS等で「性別」っていう項目をあえて埋めたくない(女性って書いて, ネット上で言い寄られても嫌だし)
→性別非公開のケースがある
LGBTの方々
・女性に見えても心は男性で, 男性と呼ばれたい方がいらっしゃいます。
・男性に見えても心は女性で, 女性と思われたい方がいらっしゃいます。
→男女の見た目と呼称が異なる方がいらっしゃる
(LGBT: Lesbian, Gay, Bisexual, Transgenderの略。英語はレディーファーストなので, Gay, Lesbianの順ではなく, Lesbian, Gayの順が一般的です。)
※同様に「お父さん, お母さん」の適訳は "Mom and Dad" "Mother and Father"
(イギリスではMumと書きます)
2015年は「米国最高裁が同性婚を合憲」と判断したこともあり, 存在感の周知へ前進し始めた年でもありました。上記のようなケースで, 3人称単数で語らなければいけないケースが生じた場合, THEY で置き換える動きが徐々に増えてきた, とのこと。
まだ一般的ではないし, 試験で書いたら❌を食らうことには違いありませんが
言語は生き物です。環境に応じて変化していきます。
例)先に挙げた情報源によると, 記者・編集者が
Somebody named “Jan” left me a note saying they’ll be back tomorrow
筆者訳:ジャンさんという名前の人が僕に「明日戻ります」というメモを残していきました
・・・なんていう表現を 最近あえて校正しないで放置する といったことがあるようです。
facebookの例
例)facebookの言語設定を英語にしていると
To see what he shares with friends, send him a friend request
の部分, he, him のところについて, 性別非公開の方は they, themで置き換えられています。けれどwhat they shares という言い方は まだ一般的ではないので
To see what they share with friends, send them a friend request.
と書かれています。they は単数ですが, 後の動詞に「三単現のs」は付いていません。them は単数ですが, その後続く 友だち申請 には a が付いており単数であることがわかります。
教科書的に正しい表現
・こういった場合について 教科書的に正しいのは he or she (ここではレディーファーストではありません)
または he/she 長いのがイヤって人は s/he と書くこともあるみたいです
・歴史的には男性が優先だったようで
he (反対意見が多くなりました)
・性別がないのなら it ですが人間ですので it はおかしい
こういう場合, they が「人を表すが性を持たない代名詞」としてうまくはまるようになり, 編集者があえて見逃しても「クレームをつける人がほとんどいない」
Theyの単数化で影響を受ける文法はこちら:
They-Their-Them-Theirs-Themself
通常はThemselvesです。 教科書が改まっていない以上, 試験で書いたら❌を食らいます。受験生の方は気をつけてください。
無料パワー
Quartzは ほんと 毎回毎回読み応えのある記事ばかりですが
一昔前ならお金を払ってまで英文ニュースを入手していたところです。
中高時代には「英文を読みたい人は The Japan Times を購読しましょう」なんて聞いたことがありましたが・・・
ニュースの英文なんて, ネットを使えば2015年当時は無料でした。2019年現在, Quartz無料なのは数記事まで, と制約がかかるようになってきました。(クッキーを消せば見られますが・・)
恐るべし無料パワー。
「お金」はもちろん価値伝達の道具ですが, 最近は「情報」によって価値がやりとりされていることが増えましたよね。
無意識なところでどんな情報が流れているのやら。人がスマホを持ち歩けば, GPSで軌跡が描けてしまいます。怖い時代になりました!!
営業車でもトラックでも, 機器を取り付けたらどこで 何 km/h 出したかがマルバレですからね ←
古き良き時代がちょっぴりうらやましいです。
Happy Holidays!
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