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おかげさまで記事数がもうすぐ400に到達します!

17-1 オバマ大統領のお別れ演説 "Yes We Did" スピーチ を読む

2017年になりました

あけましておめでとうございます!当ブログも開設から2年が経ちました。

2020を意識しているのか, 公共交通機関にもずいぶん英語放送の導入が進み, または改善が進んでいる印象を受けます。

 

拙い投稿ですが, お役に立てる記事がかけるよう頑張っていきます。

よろしくお願いしまーす。

 

2017初投稿はオバマ大統領の演説(farewell address)を読み解いてみることにしました。

当選した2008年当時はオバマ氏演説のCD本が売れていました

YouTubeとウェブが十分に浸透した現在もまだ売れ続けるだろうか?

 

 

(White House 公式アカウント)

下に記述するスクリプトはWhite House版の時間と対応します 


 

演説部分だけで50分もあります。

確か, 勝利演説 (2008) は20分もなかったはずで, こちらは部分的に暗唱してみたりできるレベル。オバマ氏の演説は教材としては最適だなぁと思う次第です。しかし今回は50分。長い・・・ 国語の長文読解を久しぶりにやる感覚です。

 

 

↑のYouTubeを聞きながら 別ウィンドウに↓を開けて,

オバマ氏の発言に合わせて音読すれば 勉強になりますのでやってみてください。

ゆっくり話してくれていますので話しやすいはず。

 

 50分超も音読するのは なかなか大変ですけどね!

 

 

 

 

 

50分・・・小学校の授業時間をゆうに超えています。

僕は4回くらいしかみていません。それだけでも4時間弱です・・・

この記事書くのに5時間くらいかけました笑

 

大事なことなので2回言いました・・・・どころではなく,

同じことを4−5回登場させています。

「民主主義において国民がいかに大切か」

について。

 

ちょっと長いですが 用語解説に加えてふたつのセクションに分けて解説します。

まずは用語解説!

 

1) 冒頭の lame duck 

You can tell that I’m a lame duck, because nobody is following instructions. 

 

後任が決定し, 引き継ぎ期間に入っている現職の権力者のことをlame duck (ダサいアヒル) といいます。「政治の世界で後任の権力に魅力があるので, 現職のいうことを誰も聞かなくなること」「鎮まらずいうことを聞かない聴衆」とかけたほどよいジョークです。

 

大阪弁に訳すと

「みなさんまでいうこと聞いてくれはらへんくなってさみしいわあ」

てな感じでしょうか。ジョークの多いアメリカの国民性は大阪人と通じるところがあります。

 

2) 独立宣言憲法の前文からの引用

It’s the conviction that we are all created equal, endowed by our creator with certain unalienable rights, among them life, liberty, and the pursuit of happiness. It’s the insistence that these rights, while self-evident, have never been self-executing; that We, the People, through the instrument of our democracy, can form a more perfect union.

 

アメリカ史には詳しくないですが, 英語とアメリカのことを知ろうとすると繰り返し, 頻繁に出てくるフレーズです。

 

独立宣言の一部(Declaration of Independence, 1776)

We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal, that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights, that among these are Life, Liberty and the pursuit of Happiness.

名詞だけ大文字から始まるあたり, 現在のドイツ語と似ています。

 

独立宣言は「イギリスは私たちにこんな酷いことをした」という事実を具体例を交えて記述した文書です。

「生命、自由及び幸福追求」は奪うことのできない権利である 

"life, liberty and the pursuit of happiness" というフレーズは日本国憲法13条にこの順番で訳して書かれています。

 

合衆国憲法前文の全文(preamble to the constitution of the United States

We the People of the United States, in Order to form a more perfect Union, establish Justice, insure domestic Tranquility, provide for the common defence, promote the general Welfare, and secure the Blessings of Liberty to ourselves and our Posterity, do ordain and establish this Constitution for the United States of America.

 

日本国憲法の前文もこのワードから文章が始まっています。

We, the Japanese People, acting through our duly elected representatives in the National Diet, ...

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し...

 

 

 

Section A 主題:「民主主義」とそれを脅かす3つの脅威について

 

Section B 心に残る言葉・フレーズなど

 

 

Section A :

f:id:dutcheez:20170115193050p:plain

democracy という言葉が22回出てきます。

主題は民主主義。  10'58"〜11'42"

...And that’s what I want to focus on tonight, the state of our democracy. Understand democracy does not require uniformity. Our founders argued, they quarreled, and eventually they compromised. They expected us to do the same. But they knew that democracy does require a basic sense of solidarity. The idea that, for all our outward differences, we’re all in this together, that we rise or fall as one.

 

筆者拙訳

これが今晩のテーマです。民主主義の現状について。

理解してください、民主主義に全会一致は必要ありません。アメリカを築いた方たちがすでに激論を交わし、言い争って出された答えなのです。僕たちも同様にするべきです。けれど、彼らは知っていました。民主主義にはある種のまとまりが必要だと。個々人では様々な違いはあれど、僕たち同じ船に乗っていて、昇るときも沈むときも一緒だということです。

 

compromise: 妥協、折衷

solidarity: 団結、結集

 

その後、民主主義を脅かすものは3つあると述べています。

1:経済的な観点から:全員に(雇用)機会がないといけない (「まとまり」を築くため)12'40"

 To begin with, our democracy won’t work without a sense that everyone has economic opportunity.

 

2:「人種」の問題  16'41"〜

There’s a second threat to our democracy. And this one is as old as our nation itself.

After my election there was talk of a post-racial America. And such a vision, however well intended, was never realistic. Race remains a potent and often divisive force in our society.

 

建国当初からある「人種(差別)」という問題がふたつめの脅威。

オバマ氏当選当初, 人種差別のないアメリカという議論が多少なされはしたが現実味は全く帯びていなかった。人種差別は社会を分断するリスクを秘めている。

 

 

→人種差別をなくす方向に法律を整備しなければいけないが, 法律だけでは不十分だ。

我々の「心」が変わらないと前には進まない。

 

18'55"〜

So if we’re going to be serious about race going forward, we need to uphold laws against discrimination 

 (中略)

But laws alone won’t be enough. Hearts must change. 

 

白人のおっちゃんだって世の中のいろんな変化についていけず、職を失って苦しんでいるかもしれない・・・人は外見では判断できない

 

 

 3:同じ意見を持つ集団で固まってしまい、他を受け入れない風潮の高まり 22'51"〜

 For too many of us it’s become safer to retreat into our own bubbles, whether in our neighborhoods, or on college campuses, or places of worship, or especially our social media feeds, surrounded by people who look like us and share the same political outlook and never challenge our assumptions.

筆者拙訳

たくさんの人にとって自分の「泡」に閉じこもる方が居心地がよくなりました。ご近所であれ大学構内であれ、教会であれ、また特にオンライン上では顕著ですが、似た外見で、似た意見を持ち仮定が正しいものと思い込んでいるのです。

In the rise of naked partisanship and increasing economic and regional stratification, the splintering of our media into a channel for every taste, all this makes this great sorting seem natural, even inevitable.

党派心が薄れ、経済的・地域的がはっきりと階層わけされていき、メディアは各人の好みに合わせて細分化されていく。これら細分化、分類の動きは自然でかつ不可避なものとなりました。

And increasingly we become so secure in our bubbles that we start accepting only information, whether it’s true or not, that fits our opinions, instead of basing our opinions on the evidence that is out there. And this trend represents a third threat to our democracy.

我々が自分の周りの「泡」に守られすぎて、真偽の判断が薄れ、根拠ある論を信じず、自分が認めた情報のみを取り入れる。この動きは我々の民主主義を脅かす3つめの脅威なのです。

 

rise of naked partisanship の解釈はあってるかな・・・?

 

 

上記のような脅威に晒される中で、 要約すると次のようなことが述べられています。

あなた方ひとりひとりが民主主義の番人です。

番人の責務を果たしてください。

何か言いたいことがあるなら、あなた自身が出馬するのです。

大事なことだから何回繰り返すのだろう・・・

(次期大統領が決まってしまったことについて、とは明言していないが)

民主主義がもたらした結果だ、市民よ賢くなれ と言っているように聞こえます。

 

 

主要な部分を抜き出しました:

All of this depends on our participation; on each of us accepting the responsibility of citizenship, regardless of which way the pendulum of power happens to be swinging.

全ては我々がいかに関わりを持つかにかかっています。我々全員が市民としての責務を理解し, 世の中がどの方向に進もうとも 自身の責任を果たすのです。

Our Constitution is a remarkable, beautiful gift. But it’s really just a piece of parchment. It has no power on its own. We, the people, give it power. We, the people, give it meaning — with our participation, and with the choices that we make and the alliances that we forge.

憲法は先人からの美しき贈り物です。とは言ってのただの紙。紙自体に力はありません。我々、人が力を、意味を与えるのです。市民の関わりによって方針を選び同盟を強化することで意味を与えるのです。

Whether or not we stand up for our freedoms. Whether or not we respect and enforce the rule of law, that’s up to us.

我々が自由を求めるか否か

我々が法律を尊重し意味を持たせるか否か

それらはひとりひとりにかかっているのです。

 

 

******* 

 

以上、理想を語り、市民の強化を改めて呼びかけているように映る演説ですが

それは「大統領」。

あるべき姿を描いて皆を納得させ、人の集団をまとめ上げるのが仕事。

理想を語り、実行に移すのが仕事なのです。

 

 

もっと小さな集団にすると・・・

「社長」は会社の理想を語るのが仕事ですし、

「部長」は部門の理想を語らねばなりません。

「担当」ですら、自分の周りがどうあるべきか周りに語って回らないといけません。

 

最初はどんなに白い目で見られようと、
自分の周りで少しずつ支持者を増やしていかないといけない。

 

ビジネスにも通じる考え方。勉強になります。

いや、勉強するだけじゃダメで、実行しなければ意味がありませんよね!

 

私事ですが「あるべき姿」をないがしろにしてしまった去年。。。

今年は「あるべき姿」を滔々と語ることにしましょうか!!

 

 

Section B:心に残った言葉

Change only happens when ordinary people get involved and they get engaged, and they come together to demand it.

筆者拙訳

変化は一般の人が必要と思い、それに向かって一緒に歩んでいかないと起こらない。 

 

 

 

Atticus Finch (小説内の登場人物)さんの引用

“You never really understand a person until you consider things from his point of view, until you climb into his skin and walk around in it.”

筆者拙訳

「 他人を理解するには、他人の立場に立ってみないとわかるわけがない

 他人の肌の中に入り込んだつもりで、ぐるぐると歩き回ってみるのだ」

 

 

ほんと、どんな場面でも言えますよね。これ。

 

 

 <Final Remarks> 締めの言葉 最後までノーカット

「かっこいい締めで人々の心に残らせる工夫をしよう」

英語のプレゼン本などにはこういうことが結構書かれています。

演説を50分聞いていた人はきっと "Yes, we can. Yes, we did." が残ったことでしょう。

後世の教科書に "Yes, we did."スピーチ などとして書かれているかもしれません。

My fellow Americans, it has been the honor of my life to serve you. I won’t stop; in fact, I will be right there with you, as a citizen, for all my remaining days. But for now, whether you are young or whether you’re young at heart, I do have one final ask of you as your president — the same thing I asked when you took a chance on me eight years ago.

筆者拙訳

アメリカの皆さん。皆さんのために仕事ができて光栄でした。これで終わりではありません。私に残された期間、ずっと一市民として皆さんのそばにいます。今は一つの区切りとして、大統領として若い皆さん、若い心を持つ皆さんに最後のお願いがあります。8年前、私に期待を持ってくれたときと同じお願いです。

I am asking you to believe. Not in my ability to bring about change — but in yours.

信じて欲しいのです。私が変化を起こす力をではなく、あなた自身がもたらせる変化を。

I am asking you to hold fast to that faith written into our founding documents; that idea whispered by slaves and abolitionists; that spirit sung by immigrants and homesteaders and those who marched for justice; that creed reaffirmed by those who planted flags from foreign battlefields to the surface of the moon; a creed at the core of every American whose story is not yet written: Yes, we can.

建国の精神にも書かれている信念を守り続けて欲しい。

かつて奴隷と奴隷廃止論者がささやき合ったその考えを、

移民や入植者、正しき道を主張し続けた者たちにうたわれたその精神を、

外国の戦場や月面などに旗を立てた者たちが認識していたその信念を。

その信念はいま物語を綴っているすべてのアメリカ人の核心に刻まれているはずだ。

「イエス・ウィー・キャン」と。

Yes, we did.

僕たちはやりきった。

Yes, we can.

そしてこれからも続いていく。

Thank you. God bless you. And may God continue to bless the United States of America. Thank you.

 ありがとうございました。これからもアメリカに神のご加護がありますように。

 

continue to が入ることで、「最後」を一層際立たせています。。

 

伝え方、バリカッコええわこの人。

作文する人も天才やな!

 

 

 

 

 

 

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