日本人が行きそうな観光地や都市における, 有料道路の支払い方法・乗って良いかどうかをまとめた情報が少ないため, こちらで紹介します。ここでは北東部諸州の有料道路についてお伝えします。(2019年夏現在)
おさらい:<アメリカの有料道路の種類>
1: 料金所式・通行券無し
2: ナンバープレート撮影式
3: 会員制端末の高速認識 & HOT (High Occupancy Toll)
4: 通行券式, 料金所で現金収受
アメリカ各地で複数の方式が入り混じり 有料区間などの追加が激しいため
もっとも更新が早いと思われるWikipedia の記事をベースに解説をいたします。
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北東部: The Northeast
北東部とは人口が集中しているこのエリアを指します。
長いのでパートをふたつにわけます。
<北東部諸州1>
2) オハイオ州・ペンシルバニア州 (I-80, I-76)
3) ニューヨーク州とNY市 (I-90, I-95, マンハッタン)
<北東部諸州2>
4) I-95 Corridor (New Jersey, Delaware, Maryland, Virginia, Massachusetts, New Hampshire, Maine)
5) レンタカー会社: National, Hertz の対応
北東部の課金方式
https://www.hertz.com/rentacar/productservice/index.jsp?targetPage=USplatepass.jsp/
Interstateシステムができる前から高速道路が発達していた地域では, 昔から料金所が設置され, そこでの雇用を創出してきました。技術が発達し, ナンバープレート撮影技術ができましたが, 導入されないのは雇用を守るためだと思われます。
北東部に見られるのは次の3タイプです。
A) 料金所式(方式1: 通行券なしの料金所, 方式4: 通行券式のいずれか; 料金所にE-ZPass レーンあり)・・日本のNEXCO方式と同じ
Illinois の大半, Indiana, Ohio, Pennsylvania, NJ, Maryland, Delaware, New Hampshire, Maine
NY州I-90の西部, 有料橋の多く
B) HOTレーンのような車線ごとの課金:E-ZPass 端末が必要, (かつ複数人同乗が必要な場合も) 無料レーンは混むがE-ZPassは不要
首都近郊, Virginia
C) 全車EZ-Pass 端末が原則必要
EZ-Pass 端末なき場合はナンバープレート撮影課金, (B)より高額な高速料金かつレンタカー屋からも課金
NY州 I-90の東部, I-95, NYCへ通じる橋やトンネルの多く;
Massachusetts州 (I-90すべてとBostonからLogan空港に通じる道ほとんど)
Illinois州 Chicago O'Hare 空港の西に位置するIL-390号線
いずれでも日本でいうETC的なサービスが使用可能で, 一般的にはE-ZPass と呼ばれています。この場合, レンタカー屋さんで E-ZPassのTransponder (受信機)を借りる必要があります。
1) イリノイ州とインディアナ州
イリノイ州のI-PassはE-ZPassが使用できる東部17州の道路と互換性がありますが, イリノイ州外の空港駐車場といったE-ZPassしかうけつけない場所では使用できない, と明記されています。
Wikipedia ページに Cash の文字が入る道路に関しましては, レンタカーで通る場合, すべてCashで通られることをおすすめします。
E-ZPassをお持ちの方は自身のものをお使いいただく方が安く上がりますが, E-ZPass端末をレンタルされる場合は,
E-ZPassのレンタル料 > E-ZPassの割引額
となることが予想されるためです。
Chicago O'Hare空港 (ORD)の西側には現金を受け付けない有料道路もあるようですが, 現時点においては ORDから抜け出す道として無料の道路・現金受付道路もあることを添えておきます。
2) オハイオ州とペンシルバニア州
Turnpikeと呼ばれる道が東西を貫いています。
オハイオ州ではI-80, I-76で現金を受け付けています(通行券式)
ペンシルバニア州では東西を横断するI-76 (Pennsylvania [Penna] Turnpike) のほか, I-476 (Philadelphia から北へ伸びる道路, NE Extension Penna Turnpike) など, 現金を受けつける高速道路があります。
現金を受け付けない高速道路 I-376 (Pittsburghから北へ伸びる道路) などは
方式2:ナンバープレート撮影式 か 方式3: 会員制端末 E-ZPassを使用することになります。
3) ニューヨーク州とNY市内
ニューヨーク州
基本的にE-ZPass をお持ちであれば, どこでも使えます。ほとんどの場所で現金を受け付けてくれ, 通行券式です。
ニューヨーク州の田舎部を横断するNew York Thruway (I-90)の一部, 縦断するNew England Thruway (I-95) に関しては現金が使えなくなっています。
現地住民に対しては Toll By Mailが流行っているようです。現金を受けつけるより, ナンバープレートを撮影して後日郵便にて請求した方が, 高額な人件費を支払うより安価ということのようです。
レンタカーの場合 E-ZPass を借りることケースがほとんどかと思いますので問題にはなりませんが, 48時間以内に次のウェブサイトから支払うことも可能です。
アメリカ国外からはアクセスができなくなっています:
https://www.tollsbymailny.com/en/about/faqs.shtml (日本からは要VPN)
ニューヨーク市内
NYのManhattanへ向かう橋やトンネルはそのほとんどが有料で, 現金を受け付けなくなっています。
一例: Robert F. Kennedy Bridge
https://goo.gl/maps/YLSPYeeQ9ocW8PB89
2018年のストリートビューではE-ZPassとTolls By Mail の2種類しかありません。
橋をちょろっと渡るだけで$8.50 を請求するとは なかなかの物価ですね。
2014年ごろまではCASHがデカデカと表示されていました・・・
MTAが管理する橋やトンネルは現金を受けつけません。
MTA 管理ではない Lincoln Tunnel はすごい高額な現金を請求するようで2021年ごろにはキャッシュフリーへ移行するようです。(都心方面のみ課金)
レンタカーの場合, Toll By Mail はナンバープレート撮影型課金と同じと捉えます。
NY市内をレンタカーで走るような場合は, E-ZPassを借りた方が総額を安く抑えられるはずです(撮影料 = 端末レンタル料のため, 通行料が安いE-ZPass 端末をレンタルしたほうが総額が抑えられる)。
前:5-10 有料道路各論(中南部: テキサス)
参考: 通行券式の有料道路(オハイオ州)
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