今回はYes と No についてです。日本語の「はい」「うん」「そうですね」様々な肯定の言葉をそのままYesと訳してはいけません。
そんなもん知っとるわ!!!
といろんなところから聞こえてきそうですが, 英語ができる日本人の中でもYes と Noがはっきり言える方々はそうそう多くありません。とっさに口から正しい反応が出てくるようになったとき, 初めて英語が操れていると表現してよいでしょう。
僕なんかもたまには Yes! - I mean - No! (はい!じゃなくて, いいえ!) となってしまいます。
日本語のはい・いいえ
教科書でよく見かける注意点を教科書風に書けば
肯定文に対して「はい」と言えば肯定され,
否定文に対して「はい」と言えば否定されます。
肯定文に対して「いいえ」と言えば否定され,
否定文に対して「いいえ」と言えば肯定されます。
サラリーマン的実例
教科書たちの例文はあまりにもマジメであたりさわりのないことが書かれていますので, なんだかしっくりときません。実生活風な例を活用すると・・
Aが上司でBは部下だとしましょう
A「おまえ、今日飲みに行かんの?」B「あっはい」 →Bさんは飲みにいかない
A「おかねないん?」B「いや」→Bさんはお金があるが飲みにいかない
A「時間はあるやろ?」B「はい」→Bさんは時間もお金もがあるが飲みにいかない
A「飲みにいこうや」B「いや、ちょっと」→Bさんは否定を2回してしまったのできっともう誘われない
(Bは言いたくない事情を抱えているのであえて言わない)
はい・いいえで答えられる質問を限定質問と言いますが, こんな質問ばかりを繰り返すと会話の量が増えてしかたがないですね・・こういう質問ばかりを繰り返されると質問されている方は気持ちよく答えることができません。
Bは業務外での付き合いが悪いやつ, とされ評価が落とされるきっかけになります。Bにしてみると, 投げた時間やお金と見合ったリターンがあるのであれば積極的に行きたいが, 何回付き合っても同じ結果にしかならないことを知っているので諦めの境地に入っています。「今日は何次会までやるんですか」と。下腹の出た人が多い集団を駅などでみかけるとなんとも哀れに思えてきます。Noと言えない人たちの集まり・・・
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英語のYes / No
これも教科書風に書けば
肯定文に対して "Yes" と言えば肯定され,
否定文に対して "Yes" と言えば肯定されます。
肯定文に対して "No" と言えば否定され,
否定文に対して "No" と言えば否定されます。
飲み会的実例
A: "Do you want some more beer?" B: "No, thank you. I'll take some wine."
A「ビールいるか?」B「いらん。ワイン飲む」→ビールはいらない
A: "I will be having a special beer that's not on the menu. You still don't want some?"
B: "Then, yes, I want some."
A「メニューに載ってへんスペシャルなビールを飲むんやけど, それでもいらん?」
B「それやったら欲しいわ」→ビールはいる
教科書的日本語であれば
A いらないのですか?
B いいえ、それならばいただきます
となるべきところですが, 英語では Yes 一択になります。
"Correct" という単語が混乱を避けます!
D: Unpleasant option, but the best mathematical option is move down.
L: Yes, correct, and that's what they preferred not to do.
D: Because they haven't saved any money in a position to (live in such an expensive area)-- So they have no nets take at all?
L: Roughly about $100K in cash.
D: But it's not creating any income?
L: No, no no.. they're a kind of in a pinch and I'm trying to help them.
( ) 内は筆者が補足しました
こちらの記事にも書いたラジオ番組 Dave Ramsey Show をここ2ヶ月以上, ほぼ毎日聞いています。
上記の例は番組のホストDave (D)と電話越しのリスナー (L)との会話から不要な語句を除いて大枠を拾ってきたものです。「リバースモーゲージ」という金融商品がいかに危険なものであるか, 米国内のこの仕組みを使ってお金を借りた多くの物件が, さしおさえ(foreclosure)を食らっているという事実が説かれており, その後リスナーさんは親が買ってしまった金融商品の仕組みから抜け出すにはどのようにすればいいか説明されていました。
このリスナーさんの相槌にあたる"Correct" は大変使い勝手の良いもので, 相手が言っていることに賛同する際に使います。どんな疑問文が来ても, たとえそれが否定疑問であっても, Correctといっておけば相手に賛同したことになります。
上記の例では, 1千万円の現金を持っている親に対して, Dave氏が「その現金は何か仕事をしていないのだね、おそらく」と聞いています。リスナーさんが「その1千万円は何も仕事をしていない」ということを表すのにNo, no を連発しています。日本語では「はい、そうです」と訳す部分です。少なくとも100Kのうち, 80Kには仕事をさせるべきだ, と会話は続いていきます。
金融商品については僕は詳しくはありませんが, 人生の終わりに落とし穴が待っていた・・・なんてことにならないよう, 若者は親世代をサポートしなければいけません。こういった商品は基本的には海外からやってきますので, 情報を取るためにも英語を学んでおいて損はありません・・・
(ご参考)ワシントン・ポスト紙の記事 2017年8月25日付
否定疑問文を避けるというスキル
さきほどの飲み会の例においては, Don't you like some beer? という例文をあげることもできました。この表現(否定疑問文)は文法的にはマルでも, 場合によっては話すと失礼に当たります。例文として丸暗記するのにはふさわしくありません。
- 気心が知れた相手には "I thought you liked beer." という表現を使いましょう。
- 敬意を伝えたい相手には "Would you like something else?" がいいと思います。ビールはきっとお好きではないのだな・違うものを飲みたがっているのだな, と判断するのが筋です。
日本語に置き換えるとわかりやすいですが,「ビール飲まへんの?」「ビール飲まないんですか」「お飲みにならないのですか」という表現, そうとう気心知れている相手ならありかもしれませんが, それ以外の場合にはあまり聞かないですよね。
「ビールがお好きだとおもっていました」はOK
「違うものを飲まれますか」もOK
日本語と同じようにお考えいただければ, 否定疑問文の形を避けることができますね。
「はい」「いいえ」とYes No がごちゃまぜになると, 非常にややこしくなります。日本人としてYes Noを完璧に使える英語の使い手になるのも一つのスキルですが, この例のように違う文章に置き換えて意志を伝えるというのも大切なスキルです!
英文法とコーチング論・リーダー論は別物
親が子供に対してDon't you like some candy? と聞くのはアリです。
上司が部下に対してAren't you supposed to be doing this first? と聞くこともできますが, 権力がむき出しになっていますのでお勧めするならば, What do you think you should have been doing first? が良いでしょう。もっと良い表現があるのかもしれません。
このあたりまでくれば, 「良いリーダーとは何か」「良いコーチとは何か」といった分野に入ってきますのでテーマが変わってしまいます。僕はまだこの分野の論は勉強中の身ですので, 詳しくは立ち入らないことにします!別の方にお譲りするとして, この記事を締めくくりたいと思います。
ではでは〜
記事を読んで楽しいと思ってくださった方, よろしければぜひ, 読者になってください!
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