消費税が10%に上がって2週間が経ちました。あらゆる軽減税率が設定されており, 店員さんはてんやわんや・・・お客さんの方から「持ち帰りで」「ここで食べます」等のことばを積極的にかけるようになりました。
国民がお財布のひもを縛らないよう, 軽減税率を設定したり, キャッシュレス決済を利用促進させるため数億円/日の還元を9ヶ月間も続けたり・・と, 政府もあの手この手です。
短期的にはキャッシュレス還元があるため増税前よりも安くなったように感じます。普段からEdyやクレジットカードをよく使う僕にとってはありがたい政策です。しかしながら, お金を貯める方向に舵を切る決心を最近しましたので, 可能な限り現金の使用を復活させるようにしました。
僕の転換点はこちら。
アメリカの国立公園を運転しながら出会ったDave Ramseyのラジオ番組をここ3ヶ月, 毎朝聞くようになり, 家・車・子どもの学費・老後資金はキャッシュで持て!金は家を買う以外に借りるな!(借金は早期に返せ!)という指針を実行したいな, と思ったためです。借金の返済から, 自分の資産構築はもちろんのこと, みんなお金持ちになって人に大量に分け与えられるようになれ!と指導しているところがいかにもアメリカっぽいです。
キャッシュレス政策の裏側には・・
「クレジットカードを使うと, 現金よりも30%以上多く使用してしまう」というデータがアメリカにはあります(当番組による)。人の消費行動に日米間の差はどの程度あるものでしょうか。「日用品を買う」部分については国のあいだでさほど変わらないのでは?という気がします。
アメリカではホテルやレンタカーなど, 現金を受け付けないケースも増えてきています。番組によると, こういった場合にはクレジットではなく, 口座の残額から直接引き落としされるデビットカードを使用せよ, とのことです。日本よりもデビットカードが普及しています(日本でデビットカードが普及しないのは, カード会社の決済手数料にデビ・クレ間で差があり, クレジットカードの方が儲かるから, と考えられます)
相談者がひっきりなしにこの番組へ電話をかけている様子を聞き, アメリカでは世帯年収2,000万円を超える家庭であっても, クレジットカード・車のローン・学生ローンなど自宅以外の借金を抱えているケースが多くあるのだなと感じています。
「現金から人の目を背ける」という政策を使って
・決済手段を近代化させ, 国民の動きを掌握する
・消費を促し, 知らず知らずのうちに貯金量を目減りさせる
ことを期待することができます。
国の偉い人は先の多数決をもとに, 増税と同時に消費を活性化させるなかなか賢い政策を実行に移してしまいました・・・。
長期的なインフレがやってくる
消費税が本領発揮
2020年の五輪前に, キャッシュレス還元は終了してしまいます。五輪があってもなくても増税による物価高がくるのは目に見えています。還元が終了し, 軽減税率適用の品物以外の消費税10%が本領を発揮, これで2%弱の物価高です。
決済手数料の価格への上乗せ
キャッシュレス決済には店を運営する会社にとって決済手段会社への手数料が3−4%必要になります。店側の視点に立つと, これを売上に転嫁しなければ, 従前の利益を残すことができません。売上だけを見ている店も中にはあるでしょう。売上が横ばいであれば, 手数料分だけ利益が目減りしていきます。売上に転嫁しない店は残念ながら淘汰されていきます。
キャッシュレス決済が目標の8割に達すると, この転嫁が顕著に見られるようになるでしょう。消費税分に上乗せして, 数%の物価高が起こることが考えられます。手数料の値下げ要請を国から決済会社へ通達することもあるでしょうが「決済会社の淘汰を国が助長した」という批判を国は避けたいはず。値下げ要請があるとすれば, 自然に「ペイ」たちの数が淘汰されてからになるでしょう…
いずれにしても, 国は「長期的な物価高を引き起こすことが善」と考えているはずです。決済会社の手数料が全国的に影響を及ぼす「付加価値」となり, 決済会社が収益を上げれば, それら付加価値からも国は税金を取ることが可能になります。こういった仕組みは考えれば推測できることなのでそれをつらつらと書いていますが, 新聞やニュースはあえて報道しないでしょう。
外資企業の視点
数%のインフレは近年の日本でみなかったことではありますが, 低成長とはいえ成長率は日本を大きく超えるインド・中国のみならず, 成熟したかな, と思えるシンガポールですら年率6%のインフレを想定しているとのこと。同じ企業で働く彼らは, マネジメントと会話ができる機会があれば, 毎回のごとく, 束になって給与アップを要求しています。
日本や韓国は給与面において主張が少ないため, 非常におとなしい存在だとみられています。給与のみならず, 市場に関しても日本と韓国はSaturated Market(飽和市場)と判断され, 低成長ということでひとまとめにされます・・・なんだか寂しいですが, 現実的にそうなっています。インフレが少しくらい発生し, 給与が上がって全体的に繁栄できれば, みんなが笑顔になるのかもしれません。しかし…
五輪後の低成長, 万博への期待
ことごとく駐車場が建物に変わっていく様子をここ2年間(2018-19)でみることができました。しかしながら, 戸建を売る不動産会社のチラシ広告・テレビが増え, 新築戸建をどーんと値下げします!などという宣伝文句が増えはじめた状況をみると, 早くも供給過多?と考えてしまいます。(値下げ後の価格ですら, 僕には払えないくらい高いですが・・)
米中, 日韓貿易戦争の影響もあいまって収益が軒並みダウンしている状況をみると, 2020年以降にもらえる賃金は, 起こりえるインフレ並みとなるのかどうか厳しいラインになってきました。万博が需要をどの程度喚起できるかに期待がかかります。
東京の人と会話すると, 五輪後が不安だ・・・なんて話をする方がよくいらっしゃり, 万博など「一地方」のことなど知らぬ・無関心!といった態度を見せられることが多いです。
大阪に行けば, そこら中で見かける万博のポスターも, 東京に行けばほぼ皆無。西は西, 東は東, 確かに遠く離れた「異国」のような距離かもしれませんが, 五輪が始まる前から, どうか東西が一体となって経済を盛りあげていって欲しいです!ひとりひとりの考え方 (期待 vs 不安) から経済が作られていきます。ぜひ, 期待を胸に。
家の価格が下がりきったときに家を買うため, そのときまでに十分な現金を蓄えていられるよう, 僕もがんばろーっと!!