2017年の元日。
ニューヨークで地下鉄の新路線が開業しました。
その地下鉄の非常用設備がすごい。
YouTube や Wikipedia から得た知識の共有なんて大したことはないけれど、
「非常用設備に投資する」という発想が重んじられている
という事実を日本語で伝えたかっただけです。
Second Avenue 地下鉄 前面展望
あれ・・・
トンネル内で緊急停止してもドアを開ければそこは歩道
そして
トンネル内にも非常口が設けられていて地上へつながっている
まじか、、、カネかかっただろうな・・・
それでも「安全優先」の考えから作ってしまった
都会の中で、混雑回避のために新路線を開業しても 乗客数・収益増にはつながりにくいです。決して財政状況が良いわけではないニューヨーク地下鉄。
セントラルパークの東側。郊外電車+既存の地下鉄の複々線だけでは全く足らない輸送需要を補うためにSecond Avenue 地下鉄は 約100年に渡る構想の末、世界恐慌、戦争、財務悪化・治安悪化などの紆余曲折を経てようやく一部実現に至りました。
確かに東側はタテに走る地下鉄がない
Second Avenue Subwayに関する年表
・1918年:平行するLexington Avenue地下鉄(複々線、現在の4, 5, 6, <6> 系統)が開業、その後全米一混雑する路線へ
・1919年:Second Avenue地下鉄構想開始
・世界恐慌、戦争
・1942, 1955:代替交通機関を整備しないまま 従来からあった2 Av, 3 Avの高架鉄道を取り壊す。(高架鉄道は町を分断する、といった考えから町全体にわたって高架鉄道を地下化する方針だった)
・1948-62:Lexington Avenue地下鉄の10両化, 急行ホーム新設など混雑対策
・1970年代:Second Avenue地下鉄を着工するも 少しだけ作って断念(この区間は現在も未開業)
・70−90年前半:落書きだらけの地下鉄に。地下鉄=犯罪の温床、治安対策に予算を投じる。ステンレス製の車両を導入し, 落書きが消しやすくなる
・2001年:同時多発テロ事件。周辺の地下鉄も破壊され, 2017年現在も駅の再建中
・2007年:現区間を着工
・2017年:部分開業 (Q 系統) 全線開業し, T系統が走り出すのはまだまだ先
YouTubeにあがっている前面展望。
・延々と緊急用歩道が "ホーム"のごとく連なっている。
・たとえ緊急時でも, 高圧電流の流れる第三軌条(third rail)の近くに人を寄せ付けない
そういった思想の表れでしょう。。
・日本の場合はどうか?
詳しくは次の記事に書きました。
緊急時において, 基本的には次の駅のホームまで走行することが原則です。
火災で煙をまいて走る最悪なケースがあったとしても 駅のホームまで走ることになっているそうです。
みなまで書きませんが,
COは分子量28です。
空気(約28.8)より軽いです。
駅のホームまで走れないケースがあったら
「列車の前後から安全に避難」することになっています。
そのケースでは地下鉄の非常口は先頭車両と, 最後尾の車両にしかありません。
画像検索から拾ってきたもので恐縮です
(機会があったら自分で撮った写真に置き換えます)
千代田線(地下鉄; 架線集電) でも運転されるJRのE233−2000という車両
前面に扉(非常口)がついてる
→2000人が避難するには非現実的
りんかい線(新しい地下鉄; 架線集電) でも運転されるJRのE233−7000という車両
りんかい線のトンネルは断面が大きいという理由で前面の扉(非常口)はついていない
同じE233でも仕様が異なることは周知の通りです
→十分に指示が行き通った(対向車線の列車を止めた)中で, 乗務員の指示のもとに横から降りたほうが現実的
線路を歩かなければいけないケースは しばしば聞こえてきます。
僕の目の前でお子さんの手が戸袋に引き込まれました。僕が良かれと思って行った対処は結果的に効果はありませんでした。
(とっさに戸を引くと 手は戸袋にはまったままになる。そのときは呼んできた係の人が非常用ドアコックを扱うことで解決した)
非常用設備、自分の身の処し方については知っておいて損はないですよ!
・・・まえにたような投稿したような気がするんだけどな
内容かぶっていたらごめんなさい!
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