誰にでもわかりそうな簡単なミス
教科書に載ってそうなことをここで揚げ足を取るのもなんですが・・・
日本の顔になるべき入口で うち英語下手なんです〜 といっているようなものです。
To be a world best airport 2020
2020年、世界最高の空港になる
・・・というスローガンを掲げたかったのでしょう。
残念ながら「あ」1文字で, 全てが台無しになりました。
最もよい空港
The best airport of the world
「上の上(じょうのじょう)」の空港
One of the best airports in the world
A best airport?
こんな表現はありません・・・
こんな感じはどうでしょう?
Be the Best Airport in the World - 2020
Be The World's Best Airport 2020
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大人の事情?
誰でもわかりそうな文法的エラーには, なにか大人の事情を感じざるを得ません。
THE だったら「成田さん、日本の表玄関であるべき存在に御迷惑が掛かる」
「ここはみんなで世界一を取りたいよね(?)」
徒競走の最後に手を取りあって, 一緒にゴールしたいという思想と同じです。この競争が「価格」であれば, 談合でございます。実世界の競争に, 「みんなでXX」はありえません
「世界一になる!!」は生半可な気持ちでは発言するのもはばかられるようなセリフです。配慮をみせるようなら, そもそもそのスローガンを掲げるべきではありません。
海賊王
ワンピース・ルフィの「海賊王におれはなる!!」の英訳は
I'm Gonna Be The King of The Pirates!
となっているようです(「ざ」が2回も入っています)
ライオン王
ディズニー映画「ライオン・キング」の英題は
"The Lion King"
です。「ざ」ライオン・キング。MufasaとScarとSimbaが同じ領土で同時期に王になることはできません・・。
もし"A Lion King" というタイトルだったとしたら ライオン王がほぼ毎日変わるくらいの雑多な存在で, それらの争いを特集した映画になるだろうし,
複数の領土間でライオンの群れどうしが争う話なら"The Lion Kings"になるでしょう笑
いずれにしても締まりのねえ名前だなや〜。
「あ・King」「あ・Best」 という文字列は絶対にありえません!
目上の人に従い, 自浄作用が働かない = 組織論?
サラリーマンというのはなかなか厄介で, トップダウンはできてもボトムアップするのは非常に難しく, 組織風土に依るところが大きいです。仮に下の人が正しいことを言っていたとしても, 上の人が「うるさい!」と一喝すれば風土改善が一気に難しくなります。
僕が最近感じている課題と全く同じこと。この看板が語りかけてきました。
自組織の下の人が仮に良いアドバイスを持っていたとしても, 組織のトップは耳を貸しにくいものです。組織規模が大きいほどそうなります。イエスマンには耳を貸します。言いたいことを伝え, やりたいことに手をかけるためにイエスマンになることはある程度大切です(あくまでもサラリーマンの話)。
お金を出せる組織は・・・高いお金を払ってコンサルタントを外注し, その意見には耳を傾けます。偶然アウトプットの質が低いコンサルタントにあたると, あんな業者に二度と依頼するか!みたいになるケースがあります。余計に外部意見をシャットアウトし, 組織は蟻地獄のようなスパイラルに陥ります。
羽田空港。世界一を目指そうと言える組織のことです。組織構成員の教育レベルは一様に高いはず。世界の玄関口で英語ができないわけがありません。
教科書を読んでいた年齢に近いのは当然, この看板を作ったチームの最年少社員なはずです。何か申し出ることができたか?・・・きっとできなかったのでしょう。
世界一の空港を目指すなら, まずは自組織の改革から着手されてはいかがでしょうか?
サービス?トイレのきれいさ?などは確かに改善のしやすい部分かもしれません。しかし, 小手先の対応だけで世界一を目指すのは大変難しいです!!
ボトムアップができない組織, 意見がフラットに通らない組織だと, 新人採用や社員定着率にも影響します。(慢性的な少子化と一時的な景気改善からくる売り手市場だからこそ, こういう論理が通ります)
看板の文法ひとつで言い過ぎでしょうか?
余計なお世話ですかね。すみません!!
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