きっぷってなんなんでしょう・・
僕もきっぷを集めるのは嫌いではないですし, ルールを知った者だけが使いこなせる裏技たちの存在もきっぷの醍醐味です。しかしながら, このきっぷと呼ばれるもの そろそろ時代遅れになってきました。日本を旅行する外国出身の方々にとっては驚くべき対象になりつつあります。
空港到着後の洗礼「券売機でカードが使えない」
前の記事で紹介したように, 成田空港駅では海外のクレジットカードが使えません(2019年7月現在)。JR東日本の別の駅で試してみたら普通に買えました。なぜ!?何らかの理由で券売機の機能が制限されているように思えます。
アメリカ人を助けようとして券売機に泣かされたおはなし。
2019年3月。
成田空港で自分のきっぷを買う際, となりで困っているアメリカ人2人組がいたので, 手を貸しました。「京都に行きたい」とのこと。成田-伊丹便が少ないから無駄に新幹線の利用客が増えるのだなあと思いつつ, どこに乗りたいか, 何時に着きたいかなど質問を重ね, みどりの券売機を華麗に操作。成田エクスプレスに乗り, 品川駅で乗換えをする経路で指定席を予約。荷物も多そうなので, 東京駅より品川駅の方が乗換えがしやすいという配慮だ!モンクあっか!笑
最後に購入ボタンを押し, あとは決済。ここまで約3分弱。
でたあ!海外のクレジットカード!待ってました。
実際に試したかったんだよ〜
何回か記事にこの看板を登場させていますが・・・
「フォーリンクレジットカード: きっぷ売り場までどうぞ :) 」
という看板の真意を問う作業。
券売機「このカードは使えません」
はあ!? ほんまかっ!!!!
現金なら受け付けてくれるみたいだが・・・?
ふたりで3万円強。相談をはじめる2人---
券売機「最初からやり直してください」
3人 あぜん。
現金を残しておくかどうかふたりが相談をしつつ, 時間切れを迎え, リセットされてしまったのでした。僕の偽善的な良心と3人の約5分(のべ15分) を使って, このクオリティ。
国の玄関で, 日本でよくみられる「不必要な厳しさ」を突きつけられました。そもそもこういう長さの列を回避するために, 果敢に券売機へアタックしたアメリカ人ふたりだったが・・・結局は並びなおすハメに。
別の日にも撮影・・・同じくらい並んでいる
自動券売機はすっかすか!
写真中央に「窓口に並ばなくていいんです!」という広告
左には長い列。広告の引き立たせ役か・・・
外国のクレジットカードが使える駅はある
JR東日本の品川駅だったか・・・ここでも外国人を助け, 券売機にアメリカ発行のクレジットカードを投入しましたが, この券売機はクレジットカードを美味しそうに食べてくれました。駅によってはきちんと食べてくれます。
関西空港駅でもおそらく使えます(僕自身は外国発行のカードで購入したことはありません)。JR西日本が英語で積極的に宣伝をしていて, 「関西空港駅から電車に乗る方法」をJR西日本自身が一連の動画を公開しています。機会をみて別記事で紹介させてください。
ネット予約・画面で乗車が世界標準に
ネット予約でどんな列車も予約できるようになり, ケータイに表示した画像で列車に乗る時代はいつになったらくるのでしょう・・。この点, 日本は列車運行が苦手といわれるアメリカはおろか, マレーシアよりも遅れています。
自分の国にいながらでも, 宿泊しているホテルからでも予約ができて, ケータイの画面で列車に乗ることができれば,
・券売機販売員の英語・中国語対応人材を他のポジションにつかせてあげることが可能
・駅であんなに長い列はできません
・ホテルのコンシェルジュさんがお客さんに代わって予約することも可能
新幹線の一部区間の予約だけは「もう」スマホから (2018年秋, JR西日本管内)
ささっと買える自由席は待たずに乗れて安価(乗車券xx市内の場合はとくに)。
アメリカの高速鉄道の予約。車掌の検札は画面に表示されたコードの撮影
JR東日本のウェブ予約を体験してみよう
ネットで予約できない!!と主張すると, JR東日本からは反論されそうです。「海外からでも予約できるサイトがありますよ!」と。
超絶長い, こちらのURLを打ち込むと, 出てくる英語版えきねっとの画面。
https://www.eki-net.com/pc/jreast-shinkansen-reservation/English/wb/Common/Menu/Menu.aspx
日本からでもアクセスが可能です。会員登録する直前までを体験してみてください。きっぷの買いにくさをご体感いただけるものとおもいます。ぜひやってみてください!オススメします。
・対象となるのはJR東日本とそのほかの一部だけだよ(いつものごとく)
・乗車日は今から何日後以降しか予約できないよ
・エラーがあったから戻ってね(選んだ列車や乗車日が全部リセットされ, 再入力が必要)
・きっぷの受取駅(窓口)と受取日(乗車日前日のいついつまで)を指定してね(受取できる駅と窓口が限定されている!?)
・東京駅・品川駅を指定した方, JR東海の窓口では受けとれないよ(日本人にとっては当然なことも, 外国人にとっては?が浮かぶ)
・ルールがブゥワーーーーーっとあるけど全部合意してチェックを入れてね(衝撃的)
・アカウントを作成してね(日本の一部だけしか使えないサイトのアカウントを誰が作りたいと思うだろう)
こんなUI(ネット上の顧客体験)では誰も予約する気にはなりません。
単に「インターネットで予約することができる」という既成事実を作りたいだけのサイトのようにもみえます。あるだけマシなのかもしれませんが。
ブゥワーーーーーっとあるルール, ここに示してみますね。これ全部を読んで, チェックをすることが必要です。英語も上手いとはいえません・・・
2ページめ。
2ページめの下のほう
どこぞの重要事項説明書でしょうか・・・
保険や住宅でも販売しているかのごとく勢いです。
民営なのに縦割り行政的!!!!
きっぷの買いにくさはJRたちが一枚岩で解決しなければいけない問題。自社管内のみの都合を東は東で, 西は西で考えるから, 複雑なシステムができあがります。鉄道によく乗る僕でもえきねっととe5489を別々に使いこなし, きっぷを受け取りにいくのはいい加減面倒です。うちの会社には外国人がいろいろきますが, 「駅まで行って一緒にきっぷを買ってあげる」なんてバカバカしいことをさせないでくださいな。
画面では入場できないこと, 列車の他にも。
・映画館でも購入済みを示す画面を現地の端末に読ませて発券が必要
・公演のチケットも購入してからコンビニ発券が必要
ディズニーランドだけは考え方がアメリカンなので画面表示で入場させてくれました。なぜなんだ・・・どこかの権益を守ろうとしているとしか思えません。本屋もレンタルCD店も新しい時代に対応するために大きく変わる意志をみせています。チケット業界も権益どうこうするのはやめて, 画面で入場させてほしいものです。
「画面コピーでは入場できない」という技術はすでに確立されています。転売対策も十分。払い戻しもキャンセル料を差し引けば, 簡単なはずです。
万博。日本の想像力やいかに!?
時代遅れが目立ちはじめた日本。日本から中国へ旅行すれば, それだけで万博に行った気分になれる昨今。
2025年の万博で中国人観光客を呼び込み, 楽しんで帰ってもらえるか!?
想像力を働かせて, 先進国・中国よりも上をゆき, 満足をさせなければいけません。柔軟な変化を短期間で実践できるか・・・? 2週間で終わる五輪よりもみものです。楽しみです!